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「痛快娯楽復讐劇」に偽りなし ガン×ソード視聴感想

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ガン×ソードを見終わりましたのでその感想でも。結論から言うと、非常に面白かったです。

 

 

「哲学」に生きる

ガンソードは、敵も味方も「自分なりの哲学」を持っていて、その哲学に従って生きている。例えば、第一話で登場したラッキー。彼は「この世には平等なものが二つある。それは死とラッキーだ」として行動している。

 

強烈なインパクトのカイジも「海は自由であるべき」と考え、海から宝を引き上げるのを邪魔したり、思想を統一するカギ爪の計画に反対するなど己の哲学に素直に生きている。

 

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主人公であるヴァンは「エレナの仇であるカギ爪を殺す」という強い信念の元で行動しています。旅の途中、復讐の意味を考えたり、死への恐怖から復讐を止めようと考えることもある。それでも、愛するエレナを思う気持ちが、その信念をより強くする。

 

このように、各キャラクターが自分の哲学に従って生きているのがガン×ソードの魅力の1つである。

 

集約する物語

前述した個性豊かなキャラクター達が、その哲学ゆえに主人公・ヴァンの元へ集う様が圧巻。まず、打倒カギ爪のためマザーベースに集ったエルドラチーム、カルメン、プリシラらは機動戦艦ナデシコを彷彿とさせる展開で燃える。各話が単体で成立しているだけでなく、物語の本筋にも影響してくるところがニクい。

 

ギャグ回であったミズーギ王国や、海の男カイジといった「一発屋」のようなキャラクター達が間接的に主人公・ヴァンの手助けをしているのも特徴的。6話で登場したバカップルも落下してくる月を不安そうに眺めていたり、「今までの出会い」が終盤に向けて集約される様は、ロングスパンで放送されるTVアニメだからこその感慨深さがある。

 

クセモノぞろいのキャラクター

ガンソードのキャラクターはクセの強いやつばかり。海と自由を愛する男・カイジ、歩く18禁ことファサリナさん、老いた酒飲み勇者のエルドラ、変態水着女・キャサリン中田。サブキャラクター達ですらこの濃さ。100%果汁の濃厚オレンジジュースのような味わいがあります。

 

そんな個性の中でも最も強烈なのは、やはりカギ爪の男。仲間同士の殺し合いという悲惨な過去から「誰もが平和に、幸せに生きれる世界を作ろう」という一見まともな信念を持っています。が、そのやり口、根底にある思想に異常性がある。

 

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相手を愛していると言いながら無意識に殺害してしまったり、その亡骸を見て泣きながら謝ったり。嫁を殺されたというレイに「彼女はあなたの中で生きているのだから問題ないのでは?」と当たり前のように返したり。

 

根本的な思想が狂っているのに、物腰が柔らかかったり命を尊んでいる姿のギャップがその狂気をより引き立たせている。ガンソードを象徴するキャラクターの一人といえる。

 

シリアス一辺倒じゃない

「復讐」というテーマを聞くとシリアスなイメージがあるが、全体のノリは軽めなのがガンソード。各話で見てもギャグ回があり、6話のバカップルの話なんかはほとんど本筋に絡んでこない。バカがバカ騒ぎを起こして、それにヴァンが巻き込まれていく。

 

ただそれだけなんだけど、最後にはヴァンがバシっと決めてくれるから気持ちいい。

 

また、17話の水着回も必見。女だけの水着帝国って設定がまずおかしいのに、それを支配するのがキャサリン中田ってのがなんとも(笑) しかも、そのキャサリン中田がおかしくなったのは「水着をダサいと言われたから」というくだらなさが笑いを誘う。

 

水着でのレース対決も、カメオが水着を引っ張ったり、その勢いでウェンディが宙を舞ったりもうめちゃくちゃ。ギャグにしろシリアスにしろ、吹っ切れる時にはトコトン吹っ切れるのがガンソード。この突き抜け具合が気持ちいい。

 

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行動様式・思想の対比

 

ヴァンとレイ

 主要キャラクターの対比も見どころの一つ。例えば、カギ爪への復讐を狙うヴァンとレイ。レイが「復讐の為なら手段を選ばない」のに対し、ヴァンは「自分のルールに則った上での復讐」という風に、その基本スタンスには明確な違いがある。

 

ウェンディとミハエル

兄弟であるウェンディとミハエルも、その対比が強調されていたキャラクター。自分の足で歩き、世界と人を見て、その上で何をすべきか、何を為したいのか決めたウェンディ。誘拐され、そこでの思想に共感し、疑問や不安を抱えつつ妄信的にカギ爪に仕えたミハエル。

 

この二人の行動には「主体的か受動的か」という違いがある。思考停止せず未来を視ているか?とも言い換えられるかもしれない。それが如実に表れたのが、宇宙でのヴァン対ミハエル戦。

 

ヴァンに対し「なぜ未来を視ない⁉過去に固執する⁉」と叫んだミハエルだが、ウェンディを「ヴァンにたぶらかされた」と一方的に断定し、保護の対象として考えている。これは、彼女が旅を通じて自分なりに得た答えを無視しており、向き合っていない。

 

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そんなミハエルも「ウェンディ、お前が正しいのかもしれない。だけど、僕の選んだ道も正しいと思うんだ。だから、僕は僕の道を行くよ」と最後には自分なりの答えを見つけるために未来へと歩み出したのが印象的。

 

ファサリナとカルメン

ファサリナとカルメンは対照的な関係でした。かわいらしさ、故郷への想い、好きなものを好きと言える素直さ。お互いにないものを持っていて、敵同士でありながらどこか不思議な思いがある。

 

「もし、出会い方が違っていたらどうなっていただろう?」そう思わせてくれる余韻が心地いい。

 

復讐の意味

打倒カギ爪のために旅をしていたヴァン。7話では「自分の復讐に意味はあるのか」と自問自答したり、16話では「死への恐怖から逃げ出そうとする」など意外にも復讐を辞めようとする描写があります。

 

それでも前に進んだのは、自分の中の「エレナへの愛」が確かなものだから。そして、そのエレナを奪ったカギ爪が「許せない」から。理屈ではなく、ぶっ殺さないと気が済まないから。ごちゃごちゃと大層な理由を並べるのではなく、「ただ殺したいから殺す」というシンプルな理由がまさしく痛快。

 

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同じくカギ爪の殺害を目的としているレイは、命を奪うことは出来なかったものの、彼の命も同然の「夢」を奪うことができた。夢×命を、ガン×ソードの使い手がそれぞれ奪い取る。復讐を否定せず、己の信念で最後までやり遂げた様はまさしく「痛快娯楽復讐劇」のキャッチコピーにふさわしい。

 

総評

旅での出会いが終盤に集約されていく展開、譲れない信念のぶつかりあい。復讐に意味があるのか?そんな疑問を真っ向からぶった切る本作は「痛快娯楽復讐劇」の看板に偽りなし。堪能させていただきました。

 

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各話の感想はこちら

 

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