谷口監督のインタビューが公開されています。以前アップしたこちらhttp://ur0.biz/OBv6
とはまた別のものになりますが、興味深い内容でとても面白かったです。ぜひ元記事の方もご覧ください。
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』谷口悟朗監督インタビュー前編 | アニメイトタイムズ
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』谷口悟朗監督インタビュー後編 | アニメイトタイムズ
復活作成秘話
ギアスが今後の展開をするにあたって、ルルーシュにケジメを付ける必要がある、という提案があったそうで、谷口監督とシリーズ構成の大河内さんで劇場三部作、復活のルルーシュを提案したという経緯のようです。
つまり、復活はあくまでも足掛かりのようなものってことですね。ギアスシリーズ全体の展開を見据えたもののため、ルルーシュに関連した話を作り続けるというわけではないそうです。
ガンダムみたいなユニバースを構築するという認識で良さそうです。
TVではなく映画の理由
大きく分けて2点挙げています。
①作業量的に無理
②客は濃い作品を求めていない
①は単純で、現場のキャパを超えてしまっているから。ギアス規模の作品をTVシリーズでやるのはほぼ不可能なんだとか。
②は、今の時代は一点に特化したシンプルな作品が合う、とおっしゃっています。このシンプルっていうのは、多分要素を絞るってことだと思います。
超能力なら超能力、ロボットならロボット、恋愛なら恋愛。混ぜるんじゃなくて、一芸特化。ギアスはこれらをすべて内包していますから、そういう意味でシンプルにする必要がある、だったら映画でまとめてしまおう、という判断だと思います。
ヒット作が生まれないロボアニメ
シンカリオンのような子供向けはまだしも、巨大ロボットの需要がなくなってきている、と監督は分析しています。今の時代にロボ物をやるなら、「なぜ巨大ロボが存在しているのか?」という根本的な部分から考えなければいけない。でも、そこまで練ることを許される現場が少ない、というのが現状じゃないかと思われているようです。
どこも人手不足で、次から次へ新作を出す。自転車操業状態ってことなんでしょうか。アニメ業界全体が冬の時代のようです。
また、巨大ロボが好きなプロデューサーが減っていると述べています。なんとなく、当時ロボアニメを見て育った世代が今のプロデューサー職などについている印象でしたが、そうでもないのか?プロデューサー陣の年齢を30代と仮定すると、10代の頃は1990年代後半から2000年初頭辺り。その当時やっていたロボアニメはナデシコ、ガガガ、エヴァと堂々たる面々だと思うのですが…。ただ、ロボアニメ全盛期と思われるマジンガーZや宇宙世紀ガンダムは80年代とかですから、確かに熱狂期は過ぎているのかもしれません。
ファンの予想で展開を変えてはいけない
ネタバレが流出してしまったら、最終回を変えるかどうか?という流れがアニメ業界には一時期あったそうです。ただ、そんなことをしても作品が破綻するだけでいいことはない、とおっしゃっています。なぜなら、それはその週のことしか考えていないから。
この手の話を聞くと、どうにも鉄血が浮かんでしまいますね。ソースを確認していないので確かなことは言えないのですが、キャラ人気を受けて展開を変えたとか、声が良かったからどうのとか。ファンの意見なんて気にせず、作品として筋を通しきらねばならない。とても重要なことだと思います。
海外で人気が出たからそっちの人が喜びそうな要素を入れても逆に離れていくみたいな。ビッグオーのセカンドシーズンなんかがそうなのかな。ゲームですが、最近出たジャンプフォースもその系譜かなと。
ただ、声優の演技を受けて死亡する予定が生き残り、現在まで人気キャラとして活躍するDBのベジータもいます。どこまでファンの声を取り入れるか、予定を崩すか。まさに監督の手腕が問われるのだと思います。
3DCGは必要な挑戦
今後は3DCGも取り入れていかないと、技術的に厳しくなってくるとコメントしています。また、ロボットを描けるアニメーターも減っており、描ける人たちも引退していく。だから手書きロボアニメは減少の一途を辿ると予想しています。
――手書きのロボットアニメを観て育ってきた世代としては、寂しいものがあります。
谷口:本音を言うと、それを言うなら手描きのロボ物にもっと皆さんお金を使ってください、ということにつきます。私達はボランティアじゃない。スタジオの維持にだってお金がかかるわけです。
アニメファンが手描きのロボ物にお金を出さないのなら、そのジャンルは消えるというのは当たり前の話だと思います。
引用元:https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1549421509
…耳が痛い話ですね。